何かに突き動かされて…
― みくに国際学園を知ったのはいつ頃ですか?
僕が学園に通ったのは、2017年の春学期(3月開始)でした。その少し前に、留学の準備のために英語を学べるところがあるということは聞いてはいたんですけど、それが「みくに国際学園」だとは知らないし、そのときはほとんど興味がなかったんです。でも、地元の教会の子が「(みくにに)参加するよ。」とか、SMYC(教会が主催する若人のための大きな活動)で同じグループだった人も北海道から(みくにに)参加する予定だって聞いたんです。その辺りから、頭の隅に少しだけ残ってはいましたね(笑)。
― みくに国際学園の存在を知って、すぐ参加しようと思ったの?
いやぁ、何度か誘われもしたんですが、自分の中にはまったく行く気がなかったんです。
自分の計画では高校を卒業した後、9月ぐらいから教会の宣教師として奉仕しようと考えていたんです。高校時代はアルバイト禁止だったものですから、そのためにも卒業後すぐに働いて半年間でできるだけ貯金しなくちゃって思っていたんですね。でも、みくにに行く予定にしていた友達と話したときに、思わず「今、みくにに行かなくちゃ!」という気持ちがすごく強くなったんです。
実は僕、もともと英語がとても苦手なのにも関わらず、奉仕活動が終わって帰って来たら留学したいという気持ちを何となく持っていたんです。
その友だちと話しながら感じた「今!」という気持ちが何だったのかというと、僕は自分一人で勉強するというのが凄い苦手なんですよね。でも、みくにで学べば周りの友だちと高め合える環境が揃っていると考えるようになって、2017年の春学期が始まる一週間前に決めて親に話したんです。「今 行かなかったら、機会はこないかもしれない」と思うくらい、自分の中でも何かに突き動かされた感じで急な計画変更だったんです。
祈って決めた結果…
― 愛貴君の計画変更に対してご家族の反応は?
ハハハ、そりゃあ最初はめっちゃ反対されましたよ。ほんとに急な計画変更でしたからね、親も全然予想してなかったことですし。
伝道に出たいとは言いながら準備もほとんどできてなかったし、みくにに行けば春学期の3ヶ月間は家を空けないといけなくなるので、「準備はどうするの!」なんて言われてしまい、何度お願いしても承諾してもらえなかったんです。まぁ、当然ですよね。
でも、やはり「今!」という強い気持ちを感じたことを忘れることはできなかったし、冷静になって何度も祈ってみました。私にとって、というか家族の誰にとっても、祈って決めるということは一つの習慣となっていましたからね。最終的に、みくに国際学園で学ぶことを祈って決めたって家族に話したら、「じゃあ、私たちは何も言えないね。行ってきたら。」って言われました。
たぶん、家族が心配していたのは、「僕が伝道に出ることを先延ばしにしているんじゃないか。みくにで学んだ結果、結局 伝道に行かなくなるんじゃないか。」というということだったと思います。家族としては、できるだけ早く伝道活動に行ってほしいと思っていたし、ほんの少し前までは自分だって早く伝道に出たいと思っていたぐらいですからね。みくに国際学園に進んでからは、完全なサポートをしてくれましたよ。
みんなに助けられて、別人になったんです
― みくに国際学園で学ばれて、どのようなことが変わりましたか?
実は、全く別人になったんです(笑)
学力的には当然なんですが、人としてもとても変わりました。英語は一番苦手な科目で、高校卒業時点での英語の力は恥ずかしい限りです。みくに国際学園に行った時点では、たぶん成績は一番下じゃなかったかと思いますよ。英語で学校の紹介をされたんですが、全く何を言っているのか一言もわからないし、自己紹介すらできませんでした。「日本語で話させて~」って思ったほどです。でも、学期が終わる頃にはびっくりするぐらい聞き取れるようになってて、会話することが楽しくなっていましたね。だから、とても自信がついたんです。
学園での共同生活では、みんながほとんど同じ世代だし、ともに助け合おうとして動くんですよ。だから、僕も周囲の人を気遣って、自分にできることはないかと意識するようになっていました。周りに影響されて人を助けることが楽しくなっていましたね。自分の信仰や証も強められて、今まで行くのを面倒くさいと思っていた教会も集うのが楽しみになり、学ぶことが好きになったんです。
みくにに参加する前と後の自分の変わり様が凄くて、学期を終えて帰ったら家族からも驚かれてしまいました。25人と過ごした共同生活は人との接し方について とても学べたので、伝道に出るためのいい準備にもなり、伝道に対する思いが強くなっていきました。
― 同期生から学んだことは何かありましたか?
ほとんど、と言うか全部助けられたことばっかりだったんですよ。特に勉強は(笑)
振り返ってみると、教会の友だちのありがたさを感じました。だいたい、教会の人とこんなに長く一緒に過ごしたことがなかったので、価値観を共有できる仲間の一員として所属意識を持てたことが嬉しかったですね。教会の会員の家の子どもとして生まれたけど、会員であるということに特別な感情と感謝を抱いたのは初めてです。一人一人が大切な存在だと感じました。毎日がとても楽しかったので、ユースカンファレンス(中学生・高校生が集まる宿泊型の大会)みたいでした。
“みくに”は変わる可能性を教えてくれました。
― さて、これから先をどのように描いていますか?
まだ、コレという具体的なものは描いていないんですが、みくに国際学園で学んだことによって英語を使った仕事に就きたいと考えています。例えば通訳や翻訳といった方面かな、同時通訳って難しいんですけどね。相手にわかりやすい英語を通じて人々が理解し合えるのを助けられたらいいなと思っています。他には、英語を教える先生だとか…。学園で学んで良くわかったのは語学が身につく学び方があるということなんです。中学や高校で学んだ英語の学習方法とは全然違った方法を学園では身につけたので、学び方さえ間違えなければ絶対に習得できるんだと確信しているんです。いずれにせよ、自分の技能を通して人に喜びを感じてもらうような仕事に就きたいです。
― 後輩たちへ向けたメッセージはありますか?
学期の三ヶ月は長いようで本当に短いんです。最初は「三ヶ月かぁ」なんて思っていたんですが、あっという間なんですよ。たぶん、僕の人生の中でとても充実していたんでしょうね。だから、皆さんにも同じ価値観を持つ友だちと過ごせる時間を大切にして欲しいです。僕の場合、英語の学習も彼らの助けがなかったらできなかったし、彼らと一緒に頑張ろうと思えたので理解も進んだと思うし、人としての成長は彼らなしでは経験できなかったと思います。一人一人を大切にできたことで、「ここでしか経験できないこと」が毎日続いたんだと思います。自分が変わろうと思った以上に、彼らに変えてもらった感じです。自分自身が「変わる」可能性を自分に感じることができたことが、とても大きかったです。
だから、後輩たちにはみくに国際学園で学ぶことによって成長できるということを伝えたいですね。
「英語は全然ダメ…」だった愛貴君が、段々と自信をつけていった過程、同時に自分自身が変わっていった過程、そして英語で人々を助けたいと思った過程をお聞きしながら、多くの若人にこの過程を楽しんで欲しいと思いました。インタビューに協力してくださり、ありがとうございました。